けやきの山葡萄の籠は、店主が東北や北海道の山奥に行き、厳選した蔓から作られています。
ヤマブドウは、日本固有のブドウです。この頃では、ワインやジュースの原料としても注目を集めています。耐寒性があり、寒さの厳しい環境の中でも生息できるので、いつクマが出てもおかしくない、鬱蒼とした山の奥で、木々に蔦を絡ませ自生しています。周りは、大人の腰以上の高さの笹が生えている所も。
山奥へ分け入って進み木々をよく観察していると、周辺の木々へ数メートルにも渡り蔦を這わせているヤマブドウを見つけられます。蔓を絡ませると言っても、その直径は5cm~太いものでは10cm以上にもなる木の幹のような蔓です。採れる時期は、梅雨時の2週間あまり。毛管から水を吸い上げ成長するこの時期だけ、皮を剥がしやすいのです。
木々に絡まる蔓を、木にハシゴをかけて切り落とします。山奥から、大きな蔓を運び出すのはかなりの重労働。でも、自分で選んだ素材を生かせるのは自分だけ。表面の皮を丁寧に剥いていきます。この時点で、蔓の表情に合わせてどう皮を採るかを考えて作業をします。
蔓の種類
採った蔓は、縮まないよう内側を外にして保管します。
蔓は使う部分によって使い分けをします。
一番皮や二番皮と呼ばれる、蔓の一番表の厚い皮(写真右)は、バッグの底や大きなバッグの表に使用します。
蔓の一番内側の柔らかい皮(写真左)は、かがり用など、繊細な部分に使用します。